これでいいのか浜松
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マイナス
6,050万人路線バス事業は危機的状況
路線バス利用者はピーク時に比べ6,050万人も減り、2013年度から赤字経営が続いています。その後も赤字路線の廃線や減便が続いており、浜松市のバス交通は危機的な状況にあります。
バス・鉄道利用者の推移
(県統計年鑑、遠州鉄道資料他により作成) -
たった
4.4%公共交通分担率はわずか4.4%
浜松市の公共交通分担率(鉄道+バス)は、第1回のパーソントリップ調査以降下がり続けています。反面、自動車の分担率は大幅に増加しています。公共交通分担率は、都市の便利さや住みやすさを示す指標でもあります。第4回以降の調査は実施されていませんが、それ以降も赤字バス路線の廃線・減便が続いており、4.0%まで下落しています。
交通分担率の推移(パーソントリップ調査より)
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ワースト
1政令指定都市中ワーストワン
公共交通分担率を政令指定都市と比較してみると、浜松市は最下位です。他市の数値は長年にわたり公共交通の整備に取り組んできた結果でもあります。平均値は20%ですから、浜松市の公共交通の整備がいかに遅れているかがよく分かります。
政令指定都市の公共交通分担率(2007年調査)
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14年連続
ワースト1人身交通事故件数14年連続ワーストワン
浜松市は人口10万人当たりの人身交通事故件数が14年連続ワーストワン(2022年度)です。最も少ない新潟市の4.4倍にあたります。事故の原因は、「渋滞などでの追突」と「出合い頭」が全体の7割を占めています(市交通事故防止対策会議)。また、浜松市の高校生は6割が自転車で通学しており、高校生が関係する事故も多く起きています。
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30対0
地域間公共交通格差が拡大
浜松市の路線バスは、ほとんどが浜松駅を基点に放射状に伸びており、バスターミナルには1日約2,400便が発着しています。そのため都心部では毎時30便近くのバスが重複運行している区域がある一方、郊外に行くほど便数は減り、バスゼロ地域が多く、地域間公共交通格差が拡大しています。
バスターミナルから放射状に伸びる路線バス(遠州鉄道)
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30%
市民の約3割が交通弱者
運転免許証のない若年層や高齢者など、車を利用できない「交通弱者」と言われる人たちは市民の約3割を占めます。外出にはバスや電車が必要ですが、大半の市民は鉄道・バスの通らない区域に住んでおり、特に交通弱者の皆さんにとっては住みにくいまちとなっています。
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UD
北遠交通結節点のUD化
「西鹿島駅」は天浜線と遠鉄線が合流する交通結節点です。天竜区民が浜松駅へ行くには、両鉄道を利用するのが最も便利ですが、両鉄道を乗り継ぐには「地下通路」を渡らなくてはならないため、大きなバリアとなっています。浜松市はユニバーサルデザイン(UD)を基本とする都市計画を進めていますので、高齢者や車いす、ベビーカーが同一ホームで水平移動できるように改善が必要です。
西鹿島駅周辺図
西鹿島駅(両鉄道を繋ぐ地下通路)
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完成後
40年時代遅れとなったバスターミナル
浜松駅バスターミナルは、旧国鉄高架化事業に伴い1982年に完成しました。1987年には浜松市営バスが累積赤字のため廃止され、遠鉄一社の運行となっています。その後40年近くが過ぎ、利用客は一度も増えることなく減り続けており、駅前の一等地を占有するバスターミナルは時代遅れとなっています。そればかりか、駅前広場の人々の自由な往来を遮断し、中心市街地活性化の妨げとなっています。
1955年頃の浜松駅
1981年頃(ターミナル建設)
現在の浜松駅バスターミナル
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路線バス車両
削減コロナ禍による路線バス車両の大幅削減
路線バスは市民の移動手段として欠くことのできない存在ですが、バス利用客激減の影響は、路線の減便や廃線に留まらず、車両の削減や車庫・営業所の廃止まで進んでいます。さらにコロナ禍の影響により、路線バス・観光バスとも大幅な車両削減を余儀なくされています。これ以上放置していると取り返しのつかない事態となりますので、交通政策として早急な対策と抜本的な改革が必要となっています。
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平均時速
28㎞/h国1浜松バイパスの平均速度は28㎞/h
国道1号浜松バイパス(篠原IC・小立野IC間18.3㎞)は信号機が多く、特に中田島~長鶴間は信号待ちと市街地流入出車両による渋滞で、平均速度は28㎞/hとなっています(国交省)。また渋滞時の追突など、人身交通事故件数が多発しているため中田島~長鶴間の高架化事業計画が進められています。
バイパスなのに信号機だらけの国道1号線浜松バイパス