人口減少問題への対応
人口減少による「地域経済の縮小」と「税収減」を補うには、浜松を訪れる交流人口を増やし、消費を拡大するための成長戦略が必要です。浜松には「楽器のまち」、「音楽のまち」というブランド力と、「浜名湖観光圏」という恵まれた地域資源があります。「音楽」と「観光」は全国からファンや観光客を惹きつける力があります。音楽と観光をリーディング産業へと発展させ、地方創生を実現するための戦略と投資が必要です。
浜松創生ビジョン2050 戦略Ⅳ
交流人口による消費拡大
人口減少による「地域経済の縮小」と「税収減」を補うには、浜松を訪れる交流人口を増やし、消費を拡大するための成長戦略が必要です。浜松には「楽器のまち」、「音楽のまち」というブランド力と、「浜名湖観光圏」という恵まれた地域資源があります。「音楽」と「観光」は全国からファンや観光客を惹きつける力があります。音楽と観光をリーディング産業へと発展させ、地方創生を実現するための戦略と投資が必要です。
浜松市は「音楽の都」を標榜していますが、ハード・ソフト面の充実度、産業面やまちづくりの面などから、「音楽の都」といえる状況ではありません。国内外から認められ、市民が誇りを持てるような、自他ともに認める「音楽の都」をめざす必要があります。
音楽の都をめざすには、音楽関係者がいつでも自由に練習や演奏のできる充実した環境が必要です。不足している中・小規模の各種コンサートホールや練習施設を整備し、「音楽の都」にふさわしい施設の充実が必要です。
長年にわたり市民から親しまれてきた「はまホール」は、老朽化などにより2015年から閉館したままとなっています。「音楽の都」をめざすからには、後継施設となる本格的なコンサートホールを整備する必要があります。
閉館したままの「旧はまホール」
「音楽の都」をめざすには、音楽鑑賞だけではなく、アフターコンサートを楽しむことができる魅力的なまちづくりと、マイカーに頼らなくても会場に行くことのできる便利で快適なまちづくりが必要です。年間相当数のコンサート等が開催されていますので、音楽とまちづくりの一体的な整備により、中心市街地の活性化を図る必要があります。
浜松には音楽を学び音楽家を育てる大学がありません。「楽器と音楽」のまちに音楽大学が加わることで「音楽の都」としての魅力と品格が高まり、若者の定住人口を増やすことができます。音楽文化の一部を地方に移転することで、東京一極集中の是正にも役立ちます。
浜松からは「ヤマハ」や「カワイ」、「ローランド」など世界的な楽器メーカーが生まれています。これは、他都市にはない圧倒的な個性と魅力ですが、楽器店が軒を並べるような街並みが形成されていません。浜松にしか存在しない知名度とブランド力を活かし、音楽文化と音楽産業を融合した「音楽の都」をめざす必要があります。
世界が脱炭素社会に向けて動き出したことから、浜松の発展を支えてきた自動車産業は大きな転期を迎えています。そこで、「浜名湖」をはじめとする豊富な観光資源を生かして、「観光」を成長産業へと発展させ、安定した雇用と税収を生み出すための戦略が必要です。
「浜名湖観光圏」は、全国13の観光圏の一つとして2015年に国の認定を受けています。現在第2期5カ年計画(2019~2024年度)を推進中ですが、宿泊客数は減少を続けています。市の「整備計画」は、課題と問題点を指摘していますが、目標とビジョンが曖昧です。成長産業として育てていく整備計画と投資が必要です。
浜名湖周辺観光施設の宿泊者数(浜松市観光統計資料)
(2016年度以降データ集計方法変更のため地域別経年変化は不明)
浜松は新幹線や高速道路などの都市間交通に恵まれている反面、市内の交通アクセスは極めて悪く、観光振興にとって大きなネックとなっています。公共交通を利用して旅行する人々(車を運転できない人や訪日外国人)を迎え入れるには、シームレスに移動できる公共交通の整備が必須条件となっています。
浜名湖観光圏には多くの観光スポットがありますが、回遊性に欠けています。集客力の最も高い舘山寺も、新鮮味と回遊する楽しさが欠けています。観光圏全体の魅力と回遊性を高めるための戦略と投資が必要です。
浜名湖観光圏は、近隣都県に有名な観光地があるため、日帰り観光や通過観光に甘んじています。日帰り客の多くはマイカーのため、観光客を増やすには公共駐車場の整備が必要です。そのうえで、駐車場からシャトルバスを運行するなどの対策が必要です。
鉄道利用客は観光地をシームレスに移動できる公共交通を必要としています。ところが、浜名湖観光圏は公共交通が不便なため、鉄道で訪れる顧客をみすみす逃がしています。脱炭素社会を迎え、これからは鉄道利用客が大切な顧客となりますので、公共交通の整備が不可欠となっています。
安全・安心・快適なトイレは観光客にとって必須の施設です。身近なところに公共トイレがあれば、安心して食べたり飲んだりすることができます。ところが、浜名湖観光圏には公共トイレが少ないうえ、未だに和式トイレがあり、観光客をもてなす気配りに欠けています。観光圏全体のトイレの整備が必要です。
公共トイレ(改修が必要な舘山寺橋付近のトイレ)
観光産業の衰退は、浜松が工業都市としてめざましい発展を遂げてきた一方で、観光分野への戦略的投資がされてこなかったことによるマンネリ化が一因となっています。「観光」を成長産業へと発展させて行くには、2泊以上宿泊したくなるような、魅力ある観光圏に飛躍するための戦略的投資が必要となっています。
「音楽の都」にとって大切な顧客は、市民と全国から訪れる音楽ファンです。全国の音楽ファンを惹きつける魅力を備えてこそ「音楽の都」といえます。「知名度」と「地の利」を活かし、日本一と言える「音楽の都」をめざしています。
「音楽の都」という目標を実現させるため、「音楽大学」を誘致し、音楽を学ぶ若者が集まる文化都市をめざしていきます。「音楽文化の地方移転」は、東京一極集中是正にも役立つうえ、定住人口を増やし、地方創生を促進することになります。
「音楽の都」を訪れたファンが、コンサートの後は観光を楽しめるまちづくりをめざしていきます。浜名湖畔の「渚園」と「浜名湖ガーデンパーク」では大規模の野外ライブが開催され、近隣市のホテルが満室になるほどの経済効果がありますので、観光とのコラボレーションによる連泊型の観光圏をめざしています。
音楽鑑賞を楽しんだあとは、食事や喫茶、飲酒などのアフターコンサートを楽しめるまちづくりが必要です。また、コンサート会場にはマイカーではなく、公共交通を利用して行くことができるまちづくりが必要です。そこで、『ビジョン2050戦略Ⅰ』において、新たな交通モード(LRT)の導入を提案しています。
国・地方共に厳しい財政状況のなかで、限られた税収に頼っているだけでは地方の未来は拓けません。「浜名湖観光圏」の総合的な魅力を高め、交流人口を拡大して、観光振興による地方創生をめざしていきます。
浜名湖観光圏には1日では回りきれないほどの観光スポットがあります。これらをスムーズに回遊できるようにして、2泊以上宿泊したくなるような浜名湖観光圏をめざしています。
【参考資料】
舘山寺の宿泊客数はピーク時に比べ約4割減少していますがまだまだ多くの魅力があり、復活再生のためのポテンシャルを秘めています。未活用、未整備の分野への戦略的投資により集客力を高め、浜名湖観光圏全体の振興をめざしています。
浜松には「徳川家康」にまつわる史跡が豊富にあります。これらの史跡を一つのストーリーとしてつなぎ、交流人口の拡大をめざします。また、浜松の発展を築いてきた産業の歴史を一堂に展示する「浜松産業歴史博物館」の実現をめざしています。
庄内半島には多くの自然が手つかずのまま残されています。周囲を取り巻くウォーターフロントは、他都市にはない大きな魅力です。そこで、総合的・長期的な整備計画により、庄内半島を日本一の観光・文化・リゾート地として整備して、移住を促進し地域経済の振興と市税の増収をめざしていきます。
郊外に音楽活動の拠点となる「サーラ音楽ホール」ができたことは、「音楽の都」をめざすうえで大きな弾みとなります。今後は「はまホール」の後継施設となる本格的なコンサートホールを整備する必要があります。
2021年6月、新都田に1414席のホールと多目的室3室をもつ「サーラ音楽ホール」が開館しました(地上5階延べ6,388㎡、総工費42億9,000万円)。幼稚園から高校までの学校教育団体を主な利用者としており、発表会や大会などの文化活動に利用されています。
音楽文化の地方移転の第一弾として、「音楽の都」にふさわしい世界に誇れるコンサートホールの整備をめざしています。アクトシティは多目的ホールのため、東京の「サントリーホール」を超える本格的なホールをめざしています。
サントリーホール(1986年開館)
「音楽の都」の中心的存在となるコンサートホールは、市内で最も環境の良い浜松城公園の一角が適しています。『ビジョン2050戦略Ⅰ』で提案している新たな交通モード(LRT)の実現により、郊外から大勢の観客を運ぶことができるようになり、会場への移動が快適になります。
コンサートを楽しんだあとは、ナイトライフを楽しむことができるように「歩いて暮らせるまちづくり」をめざしています。浜松駅から会場までは徒歩で約20分(1.4km)ですので、沿道に新たに人の流れを生みだすことにより、中心市街地の活性化にも役立ちます。
「音楽の都」を支えるのは市民です。不足している中・小規模の音楽ホールをはじめ、各種の練習施設を充実させ、多くの市民が演奏者として、聴衆として音楽を楽しめる環境整備が必要です。
音楽文化の地方移転の第二弾として、音楽大学の誘致をめざしています。設置場所については、『ビジョン2050戦略Ⅱ』において、新市庁舎ビルへの併設を提案しています。
浜松は「楽器のまち」といわれながら「楽器通り」がありません。そこで、鍛治町通りの空き店舗対策として、市内大小のメーカーや販売店の出店を支援し、「楽器通り」と言われるような街並みを実現し、「音楽の都」にふさわしいまちづくりをめざしています。
浜名湖湖畔でのコンサートは、都心での屋内音楽とは異なり、開放的な気分が楽しめます。そこで「Lake Hamana」のブランド名のコンサート(渚園、浜名湖ガーデンパーク)を、「音楽の都」の中に定着させ、観光とのコラボレーションにより他都市にはない個性的なまちづくりをめざしています。
「渚園」と「浜名湖ガーデンパーク」へのアクセス
浜名湖観光圏は、近隣都県の有名観光地のはざまにあって埋もれがちですが、本州の真ん中という「地の利」に恵まれています。そこで、戦略的投資により「ここにしかない」といえる新たな個性と魅力を生み出し、2泊以上宿泊したくなるような観光圏へと発展させ、雇用と交流人口を拡大し、地域経済の振興をめざしています。
浜名湖観光圏の主要観光スポットは、鉄道駅を中心とするゾーン(A・B・D・E)と、東名舘山寺スマートICを中心とするゾーン(C)に大別できます。中でもB・C・Dは魅力的なゾーンですが、各ゾーンをつなぐ南北公共交通がありません。そこでシームレスに移動できる公共交通を整備して回遊性を高め、ゴールデンルートとして、連泊型の観光圏をめざしています。
浜名湖観光圏のゾーン別主要観光スポット図
前図B・C・Dゾーンは、浜名湖観光圏のドル箱的存在です。そこで、庄内半島を縦貫する「陸上ルート」と「湖上ルート」を整備し、これまで素通りしていた鉄道とマイカー利用客を庄内半島に招き、観光圏の活性化をめざしています。
JR「舞阪駅」と天浜線「気賀駅」を結ぶバス路線を整備して回遊性を高め、鉄道利用客を誘引します。舘山寺~気賀駅間は、地域住民の利便性を重視し、聖隷三方原病院を経由するルートを想定しています。
舘山寺~東名浜名湖SA~天浜線寸座駅を水上バスで接続し、東名及び天浜線利用客を湖上から誘導し、全国でも珍しい魅力的な観光ルートをめざしています。
浜名湖縦貫ルート構想図
運河を巡らしたまちづくり
庄内半島は「浜名湖縦貫ルート」の整備により、観光圏としての魅力とともに、居住圏としての魅力が飛躍的に高まります。そこで、庄内半島の美しい自然と環境を乱開発から守るとともに、「運河をめぐらしたまちづくり」など、総合的・計画的な整備により、誰もが住んでみたくなるような、日本一の観光・文化・リゾート地を実現し、移住の促進をめざしています。
「浜名湖観光圏」のA~Eの各ゾーンに、高速道路SAのような安全・安心・快適な公共トイレを1ヵ所以上整備し、全国の旅行業者や観光バスから観光コースとして選ばれる観光圏をめざしています。
観光地には観光スポットや、トイレまでわかりやすく誘導してくれる案内サインの設置が必要です。3か国語表示などユニバーサルデザイン(UD)に配慮した矢羽根サインを設置するなど、観光客に優しい観光圏づくりが必要です。
矢羽根サイン
「館山」と「大草山」につり橋(約250m)を架け、ロープウェイ~大草山~舘山~門前通りを巡る「舘山寺回遊ルート」を整備し、観光客倍増をめざしています。大草山展望台の「恋人の聖地」と、舘山寺の「縁結び地蔵」をつり橋で結ぶことにより、ダブル空中散歩を楽しめる新たなパワースポットとなります。つり橋構想は2003年に舘山寺温泉街整備計画推進協議会から提案されており、「三島スカイウォーク」という成功事例もあります。
「舘山寺回遊ルート」構想図
全長400m、歩行幅1.6mの日本一を誇る歩行者専用つり橋。総事業費約40億円で2015年に完成。開業後5年で入場者数500万人を達成。入場料大人1,100円。中高生500円。
東名舘山寺スマートICから流入してくるマイカー利用客を「舘山寺回遊ルート」に誘導するには、パーク&ライド(P&R)の整備とシャトルバスの運行が必要です。そこで、フラワーパーク港近辺にP&Rを整備し、ロープウェイ駅間(約1.5km)のシャトルバス運行をめざしています。P&Rの候補地がない場合は動物園の市営駐車場(延べ560台/1回200円)を拡張するなど、共存共栄をめざす必要があります。
浜名湖は明応地震(1498年)の津波により「今切口」が開き、遠州灘と浜名湖がつながり「汽水湖」となった歴史があります。かつて交通の難所であった「今切れ」には、浜名大橋(国道1号線バイパス)が架かり、その美しい光景は弁天島海浜公園から一望できます。この景観を活かして、四季を通して観光客で賑う海浜公園をめざしています。
弁天島海浜公園から見る浜名大橋
弁天島海浜公園位置図
海浜公園には約650mにわたりウォーターフロントが広がっています。ここに「シーフードレストラン」、「カフェ」、「温泉」をキーワードに、全国一と言えるフィッシャーマンズワーフと、安全・安心・快適な公共トイレを整備して、浜名湖観光圏随一のグルメスポットをめざしています。
海浜公園はJR弁天島駅から徒歩5分という恵まれた環境にあります。そこで脱炭素社会を見据え、JR線利用客を主なターゲットとすることで、飲食を伴うサービスにより消費拡大をめざしています。そのため、『ビジョン2050戦略Ⅰ』においてJR弁天島駅の橋上駅化と、国道を横断する自由通路を一体的に整備し、「潮干狩り」や「花火大会」再開時にも備えた、一大観光スポットの提案を行っています。
浜松には工業都市として発展してきた、貴重な産業の歴史があります。繊維産業から楽器・オートバイ・自動車・光・電子産業へと発展し、そこからホンダ・スズキ・ヤマハ・カワイ・ローランド・ホトニクスなど世界的企業が生まれています。地方都市からこれだけの世界的企業が生まれたのは稀有に近く、その歴史と人物史は文化遺産として後世に残す必要があります。そこで、庄内半島南端に4つの分野からなる「浜松産業歴史博物館」を実現し、浜名湖観光圏の新たな観光資源として交流人口の拡大をめざしています。
博物館は新幹線の車窓から見える位置にあります。シドニーのオペラハウスのような斬新なデザインとすることで、車窓の視線を惹きつけ、その存在を全国に広めていくことができます。
人目を惹くシドニーのオペラハウス
産業歴史博物館構想案位置図
浜松の産業の歴史は、江戸時代中期の綿織物から始まっています。そこで、初期の「足踏み式織機」から「手織り機」「力織機」「高速自動織機」へと進化を遂げた技術革新の歴史を動態展示で紹介していきます。スイッチを入れると縦糸と横糸が織り上げていく過程を見ることができ感動を与えることができます。また、原料となる「綿花」「生糸」「羊毛」の栽培・飼育を行い、糸に紡いでいく工程の実演など、子どもたちの情操教育に役立つ博物館をめざしています。
楽器産業は、山葉虎楠氏の日本初のオルガン製造に始まっています。楽器は弦楽器・吹奏楽器・打楽器・鍵盤楽器に分類され、それぞれに各社の開発の歴史があります。そこで、浜松のメーカーが製造した楽器を展示するとともに、楽器体験コーナーや練習室、各種コンサートホール、リハーサルコテージ、野外ライブ場などを整備し、音楽と観光が楽しめる宿泊型観光地をめざし「浜名湖のブランド力」を高めていきます。
日本のバイク産業は、浜松空襲により焼け野原となった一角からスタートし、最盛期には35社が競い合った歴史があります。その中から「ホンダ」「スズキ」「ヤマハ」が世界企業へと発展し、「ライラック」のように多くのバイクを生産したものの姿を消した会社もあります。同社のバイク保有者が「ライラック友の会」の活動を続けていますが、散逸する前に保存が望まれます。「ホンダ」「スズキ」「ヤマハ」は自社にミュージアムを持っていますが、バイク発祥の地にすべてのメーカーのバイクを一堂に展示してこそ意義があります。
1926年、日本で初めてブラウン管に「イ」の文字の投影に成功したのは、浜松高等工業学校(現静岡大学工学部)の高柳健次郎氏でした。後にテレビを完成させ、その偉大な功績から日本の「テレビの父」と呼ばれています。 2002年に小柴昌俊氏がニュートリノ天文学を確立しノーベル物理学賞を受賞しましたが、その研究施設として作られた岐阜県のスーパーカミオカンデには、浜松ホトニクスが開発した光電子倍増管が採用されています。同社は2004年に「光産業創生大学大学院」を創設し、光技術を使った日本発の新しい産業の創成をめざしており、浜松における光・電子技術は進化を続けています。
「音楽と観光」は人を惹きつける魅力があります。しかも浜松は本州の真ん中にあり、地の利に恵まれていますので、交流人口を増やすうえで大きな力となり、地域経済を活性化させてくれることになります。
日本一といえる本格的なコンサートホールができると、人気の高いアーティストや指揮者のコンサートには全国からファンが訪れるようになります。また音響効果の優れたコンサートホールは、著名アーティストや指揮者から選ばれることも多く、「音楽の都」をめざすうえで重要な要素となります。
「楽器と音楽のまち」に音楽大学が加わることで、浜松は「音楽の都」として揺るぎない存在となります。また中心市街地の一角に音楽大学を誘致することにより、若者の人口が増え、中心市街地の活性化にも役立ちます。市内には音楽関係の企業が多く、卒業後は市内の企業に就職する学生も増え、人口減少問題の克服にも貢献することになります。
「つり橋」の整備により、「舘山寺回遊ルート」が実現すると、ロープウェイからオルゴールミュージアム、展望台、つり橋、舘山寺、門前通りへと回遊することができ、舘山寺観光の魅力は一変します。ロープウェイとつり橋のダブル空中散歩は全国的にも珍しく、門前通りにも賑わいが生まれ、宿泊客増加も期待できます。
「陸上ルート」と「湖上ルート」で訪れる、JR線と天浜線利用客、東名利用客は、いずれも新規の顧客となります。「舘山寺回遊ルート」の整備との相乗効果により、観光客とを一挙に増やすことができます。
「フラワーパーク港」からシャトルバスを運行することで、これまで舘山寺温泉周辺に駐車場がないため素通りしていたマイカー客が、大切な顧客となります。ケーブルカーやオルゴールミュージアム見学、遊覧船の利用、飲食など大きな消費効果が得られます。
浜名湖を眺めながら、海の幸やアルコールを楽しむことのできるフィッシャーマンズワーフは、浜名湖観光圏の人気スポットになることは確実です。JR線利用客をはじめ、観光バスも中継地点として利用するようになり、宿泊客も増え大きな経済効果が得られます。
観光客にとって、安全・安心・清潔なトイレは最高のもてなしとなります。特に、観光バスは走行中の渋滞を考慮して2~3時間毎にトイレ休憩を取るため、浜名湖観光圏の各主要ゾーンに公共トイレを整備することで、観光客を増やすことができます。
多くの世界的企業を生んだ浜松の産業の歴史は、世界的にも例がなく、博物館には全国から多くの観光客が訪れることになります。4部門で構成する博物館は終日楽しむことができ、素通り型から宿泊型・連泊型の観光圏に転ずることができます。
庄内半島の美しい自然と環境を乱開発から守り、誰もが住みたくなるようなまちづくりを進めることで、移住が促進されます。また、計画的な整備により宅地化が進み、固定資産税等の市税の増収をもたらすことになります。
浜松城は江戸幕府300年の原点となった城で、徳川家康は29歳~45歳までの17年間居城しています。歴代城主の多くが後に江戸幕府の重役に出世したことから「出世城」といわれています。野面積みの石垣でも有名です。
浜松城
徳川家康を祭神として、浜松城の前身・引間城跡に明治19年(1886)に建てられました。現在の浜松城は300mほど西にあります。引間城は家康公が浜松に入ってから浜松城を現在の位置に築くまでの間、生活していた場所です。
元城町東照宮
三方原合戦にまつわる逸話として残る古戦場です。徳川軍はこの崖に布で橋をわたし、犀が崖北方に陣を張る武田軍に奇襲をかけました。武田軍はそうとも知らず崖下に落ち多くの死者が出ました。その伝説が地名の“布橋”の由来となっています。
犀が崖資料館
築山御前の霊廟が墓苑にあります。織田信長の命により切腹を命じられた長子信康の命乞いに、浜松の家康の元に向かう途中、佐鳴湖畔で家康の家臣に切られてしまいました。半年後、信康は二俣城で自刃しています。
西来院
徳川家康の側室西郷局が二代将軍秀忠を生んだとき、産湯に使われたという伝説の井戸です。遠州鉄道の高架化に伴い遠州病院駅の下に作られました。実際の井戸は明治の頃迄現在地より西方50mにありました。
徳川秀忠公誕生の井戸
地上45階建ての浜松を代表するシンボルタワーです。ホテル、ショッピング街、レストラン街の入る複合施設です。最上階の展望回廊からは市内360°を一望できます。
アクトタワー
世界から収集した楽器を展示している日本で唯一の公立楽器博物館です。1500点の資料を地域別、種類別、年代別に展示しており、自由に楽器を演奏できる体験ルームもあります。
楽器博物館
自然・光・音・力・宇宙・新技術の6つのテーマに、体験型に重点をおいた100点以上の展示と、生解説のプラネタリウムが特長です。食事もできるカフェがありゆっくりと科学を楽しめます。
浜松科学館
縄文時代の貝塚として知られる蜆塚遺跡の隣にある博物館です。遺跡の出土品以外にもナウマンゾウの化石の標本など、原始から近代まで浜松地域の歴史資料が展示されています。
浜松市博物館
浜松城公園内の天守閣近くにある美術館です。企画展が充実しており、見ごたえのある絵画や美術品などの特別展が開催されます。季節の良い時期には公園の散策も楽しめます。
浜松市美術館
浜松市は戦争末期の昭和20年に、米軍の艦砲射撃と27回に及ぶ空襲により焦土と化しました。当時の人々の暮らしと、戦争の悲惨さを伝え、その後の復興の記録を保存するため、1988年に開館しました。
浜松復興記念館
日本映画の黄金時代を築いた浜松生まれの映画監督の生涯を紹介しています。作品に『二十四の瞳』『喜びも悲しみも幾年月』『楢山節考』などがあります。建物は市指定有形文化財に指定されている旧浜松銀行協会です。
木下恵介記念館
郷土の生んだ偉大な国学者賀茂真淵(かものまぶち)に関する資料が展示されています。『古事記』『日本書紀』『万葉集』を研究し、国学を樹立したことで知られています。
賀茂真淵記念館
5つのゾーンで構成されており、浜松まつりに引き回しされる御殿屋台や、大凧などの実物展示、資料映像などが鑑賞できます。また、浜松まつりのグッズも販売されています。
浜松まつり会館
中田島砂丘は日本三大砂丘の一つといわれ、遠州の空っ風が作り出す「風紋」は一見の価値があります。砂丘の先には太平洋が広がり、アカウミガメの産卵地としても知られています。
中田島砂丘
航空自衛隊浜松基地に、日本で唯一の 「エアパーク」があります。戦闘機や装備品が展示され、全天周シアターなどがあり、親子が1日中無料で楽しむことができるすごい場所です。
エアパーク
スズキ本社の南側にあり、創業初期から現在までの歴史と、歴代のバイク・車が展示されており、自動車の製造・設計過程も展示されています。無料ですが予約が必要です。
スズキ歴史館
ヤマハ創業以来の歴史と、現在と未来への挑戦を「見て・聴いて・触れて」体感できる場です。360度3Dカメラで撮影した「バーチャルIR体験」は、自宅にいながら実際に見学しているような感覚で楽しむことができ必見です。
ヤマハイノベーションロード
浜名湖名産「うなぎパイ」の製造工程が見学できます。うなぎパイ職人の手わざで仕上げられたうなぎパイの焼き上げや、包装の様子を窓越しに見学できます。
うなぎパイファクトリー
170以上の町が参加する勇壮な「凧揚げ合戦」と、「御殿屋台の引き回し」は、参加する者も見る者も魅了する祭りです。凧あげは約440年前、引間城主が長男の誕生を祝って揚げたことに由来しており、毎年5月の連休に開催されます。
浜松まつり(凧あげ会場)
JR弁天島駅の南側に位置する公園です。水平線の先には遠州灘が広がり、夕焼けの美しい絶景ポイントです。弁天島駅からは徒歩3分と近く、夏には海水浴や潮干狩りで賑います。
弁天島海浜公園
浜名湖体験学習施設ウォットは、淡水と海水が混じり合う浜名湖に棲む魚や生き物を見たり、タッチプールでさわったりすることができる、体験型の小さな水族館です。
浜名湖体験学習施設ウォット
徳川家康により1600年に創設された関所です。五街道のなかで最も往来の多かった東海道に設けられました。舞坂宿と新居宿の間にあり、唯一現存する木造の関所として有名です。
新居関所
トヨタ創業者の生誕の地に、建物と裏山を一体的に整備したもので、木製人力織機などが展示されています。このほか、江戸時代後期に建築された佐吉翁の生家が復元されています。
豊田佐吉記念館
湖畔の美しい自然の中に作られた広大な都市公園です。敷地は3つのエリアに分けられ、草花や樹木が植えられ、水遊びや子ども広場などもあり、子どもからお年寄りまで誰でも気軽に無料で楽しむことができます。
浜名湖ガーデンパーク
遠州灘沿岸にできた日本一の防潮堤です(天竜川から今切口まで延長17.5㎞、最大高さ15m)。地元企業からの寄付金300億円等により実現したもので、同社の名をとって「一条堤」と呼ばれています。
津波防潮堤
弘法大師により開創された真言宗の古刹で、明治になって曹洞宗に改宗。寺の裏山一帯は遊歩道となっており、弘法大師が修行した洞穴には自作の石仏が安置されており、山頂には舘山寺聖観音像が建っています。
舘山寺
浜名湖畔のリゾート型遊園地です。メルヘン系から絶叫系まで約25種類のアトラクションがあります。ちびっ子でも楽しめるアトラクションもあり、家族みんなで楽しめる遊園地です。
浜名湖パルパル
日本で唯一、湖上を渡るロープウェイ。始点には遊園地「浜名湖パルパル」があり、終点の大草山にはオルゴールミュージアムがあり、展望台からは浜名湖の絶景を堪能することができます。
舘山寺ロープウェイ
舘山寺の大草山山頂にあり、ケーブルカーで渡ります。約70点の貴重なコレクションが展示されており、東海地方最大級のオルゴールショップがあり定時演奏も行われています。
オルゴールミュージアム
浜名湖畔の自然の地形を活かして作られた植物園で、四季折々さまざまな草花を鑑賞できます。大温室や大噴水ショー、草花の売店もあり、観覧車両で園内を廻ることもできます。
フラワーパーク
はままつフラワーパークと隣接し、両者を合わせて舘山寺総合公園と呼ばれています。園内は専用通路で繋がっており、共通券を購入すると両園を自由に巡ることができます。
浜松市動物園
遊覧コースは二つあり、一つは舘山寺周辺を遊覧(約30分)するコースです。もう一つは舘山寺と三ヶ日瀬戸港を結ぶ航路(約30分)です。陸路よりもショートカットでき、サイクリングなどに適しています。
浜名湖遊覧船
東名浜名湖サービスエリアの船着き場から遊覧船が運航されています。SAから乗船できる遊覧船は、全国でも例がなく、地元漁師さんのガイドにより約20分間の遊覧が楽しめます。
浜名湖SA遊覧船
浜名湖を渡る航路を避け、姫街道を利用する旅人の通行を取り締まるため、1601年徳川家康によって気賀宿の入口に設けられました。新居の関所とともに江戸警護の重要拠点として、旅人や荷物を厳しく取り調べました。
気賀関所
奈良時代に行基によって開創された井伊家の菩提寺です。左甚五郎作の龍の彫刻や、本堂廊下の鶯張りの床、小堀遠州作の庭園は有名です。境内には始祖の共保から直政まで、井伊家歴代の墓所があります。
龍潭寺
2億5千万年前の石灰岩で形成された総延長1,000mを超える東海地方最大の鍾乳洞です。公開されているのは約400mで、落差30mの地底の大滝は圧巻です。見学所要時間は約30分です。
竜ヶ岩洞
山号を深奥山(じんのうざん)と称する臨済宗方広寺派大本山です。大本堂、半僧坊真殿、三重の塔など多数の建物があり、参道から本堂まで多くの見どころがあります。禅体験のできる宿泊研修(団体)も行われています。
奥山方広寺
一年中果物狩りが楽しめる日本最大級のフルーツパークです。 ワインセラーやデザート、フルーツの食べ放題も楽しめるフードコートやレストランがあり、人気観光スポットです。
フルーツパーク時之栖
天竜浜名湖鉄道「天竜二俣駅」構内にある転車台、扇形車庫は全国的に貴重な鉄道歴史遺産となっています。毎日見学ツアーが行われており人気のスポットです。
鉄道歴史館(転車台・扇形車庫)
世界のHONDAの創設者本田宗一郎氏の生き方や年譜・写真・映像、初期のバイクなどが展示されています。建物は氏が幼少時を過ごした旧二俣町の役場を改装したものです。
本田宗一郎ものづくり伝承館
浜松市(旧天竜市)出身で文化勲章受章の日本画家秋野不矩画伯の作品を展示する美術館です。常設展のほか年に数回特別展・企画展が開催されています。
秋野不矩美術館